東京大学新聞掲載記事
株式会社地圏環境テクノロジーが2004年11月23日付けの東京大学新聞の特集記事「東大発ベンチャー始動」で紹介されました。
-要旨-
統合型水環境シミュレーションシステム「GETFLOWS」は、ある地域(流域)での降雨から始まる水の動き、すなわち地表水と地下水が海洋まで流出する水環境をシミュレーションする。登坂博行助教授(工学系研究科)が開発したこの技術をもとに、「株式会社地圏環境テクノロジー」が00年9月に設立された。
コンピューターの中に、土地利用や地形、地質の情報を盛り込んだ自然再現したモデルを構築し、メートル単位の格子状に地域を分割して、水環境を再現する。あ
る強さの雨が一定期間降り続いたとき、地表のどこにどれだけの水が流れ、蒸発し、また地面に染み込んで地下水としてどういった流動状態になるのかを予測することが可能だ。この予測はダムの運用や河川工事、地下水利用や汚染解析などに応用できる。
西岡社長は「この技術の開発は、土木・農水などの業界が水と自然を捉える「哲学」の変化をもたらすだろうと思っています」と話す。「自然の水環境の中で、工事・開発はどうあるべきか」を考えるというのだ。土壌の種類や地下水位、またどこに雨が振りやすいかといった気候条件も踏まえたうえで、ダムや河川の総合的な運用方法をさぐるべきだという。
「より高速で使いやすいソフトを開発し、直接市民の利益となるサービスを提案していきたい」。それが地圏環境テクノロジーの目標だ。