河川・湖沼・地下水系汚染対策(富栄養化など)
概要
流域内の汚濁負荷の発生は、都市域における生活排水や事業所排水、農地への施肥や畜産糞尿に関するものなど多岐にわたります。発生源や汚染物質の違いによっても、分解・反応過程や地下への侵入経路、その後の移動形態は様々です。
統合型水循環モデルでは、点源、非特定排出源からの様々な汚濁物質について、分解・化学反応による物質の動態変化を考慮しながら、河川輸送、地盤内侵入、収着・脱離、移流分散等の物質移動過程を取り込んだより自然な物理モデルを提供します。これによって、従来の巨視的な視点から汚濁負荷量を強制的(陽的)に与える原単位法では困難であった遅延現象やその他の物質移動過程の詳細なメカニズムを知る手掛かりとなります。
- 硝酸態窒素汚染、一般的な希薄濃度溶質による汚染の追跡
- 閉鎖性水域への河川や地下水からの汚濁負荷量予測
- 降下放射性物質の陸域表面吸着、水・土砂による輸送による減衰過程の追跡
シミュレーションによって得られる数値情報は、各物質の水中における濃度、固相中の濃度、水相・ガス相の飽和度、圧力、ポテンシャル、水深・水位、流速等です。
事例
下図は硝酸態窒素汚染の解析事例です。流域全体の広域モデルから局地の精細モデルまでを段階的に作成した解析により、湖沼への供給経路を推定したものです。