人間活動と自然環境保全対策
概要
人間活動や気候変動が自然環境へ与える影響には多様なものがあります。
(1)大規模な自然改変に伴う環境変化
- ダム建設による広域環境変化
- 鉱山開発に伴う環境変化や水の汚染、休廃止鉱山における坑内からの重金属を含む酸性地下水流出対策
(2)構造物の建設に伴う地表・地下の環境変化
- 山岳トンネル等の開削時のトンネル湧水に伴う地表水の減少、地下水系の変化、植生等への影響
- 大深度地下施設(地下駅など)に対する地下水揚圧力の増大、揚水等対策立案
- 大規模地下備蓄施設(石油、LPG等)の安全評価、環境影響評価
- 地上施設・地下施設による地下水流動阻害、それに伴う環境変化の評価
(3)都市化の進展による環境変化
- 里山減少、河川流量の減少、都市内湧水点の減少などの対策
- ヒートアイランド現象と対策
(4)気候変動の影響も受けた自然環境変化
- 湿原の変化、森林の変化、生態系の変化など
人間活動が自然環境に与える影響を考えるためには、基盤となる水システムの動き(表流水量、地下水位、水温、水質の変化)を的確に把握し、対策を検討することが重要です。
統合型水循環モデルはこれらの問題に対して、対象領域を構成する自然や人工物を物理的に表現し、水や熱の動きを定量的に追跡することで、様々な自然環境保全・修復活動のための科学的情報の提供、適切な対策の提案を行います。