放射性廃棄物処分における安全性の評価
概要
原子力利用に伴う放射性廃棄物を地下の適切な深度へ埋設・隔離する計画が、世界各国で進められています。隔離安全性の評価では、廃棄体中の放射性核種の種類・寿命に応じた人工バリアの設計、地下岩盤の地質・水理的安定性、埋設地の地質的長期安定性、廃棄体の腐食・核種漏洩と地下水の動きや吸着等に伴う放射性物質の移動現象、海水準変動・隆起浸食等の変動、それらの総体としての地表生物圏への到達可能性の予測・評価などが必要とされています。不確実性が高く、長期(高レベル廃棄物は10万年オーダー)にわたる現象を予想し追跡するためには数値解析技術が不可欠となります。
我が社では、統合型モデルや他の地下水解析ソフトウエア等を利用して、放射性廃棄物処分にかかわる安全性評価に貢献いたします。
- 実験室実験、原位置実験の再現解析(水・ガスの多相流動、熱の流動など)
- 廃棄体金属容器腐食により生じるガスの発生・移行挙動評価
- 人工バリア中の熱・水・ガス移動を伴う解析
- 長期海水準変動解析、隆起・浸食過程の解析
- 処分サイトにおける建設・埋設・閉鎖・再冠水プロセスの3次元解析
- 地下の不確実性を考慮した地層処分システム性能評価(核種移行・被爆線量評価)
事例
原位置実験系における人工バリア中のガス移行挙動の三次元シミュレーション事例。模擬廃棄体から発生したガスが間隙水中に溶解し・移動するプロセスを追跡・再現。(IHLRWM2006より)