河川による土砂輸送
概要
河川は常に周辺から流入する細かな固体粒子(粘土や砂)を下流に向け輸送し、最終的に海まで運び込みます。
統合型水循環モデルには、地表水、地下水の流動とともに、流砂輸送モデルがカップリングされており、掃流砂移動、浮遊砂移動(移流および乱流拡散)、沈降・巻き上げ、土砂輸送による地形変化(侵食・堆積)、地形変化によって生じる流況変化を追跡可能で、総合土砂管理計画などの情報が提供できます。
東日本大震災時の降下放射性物質の地表付近での動きは、土壌粒子への吸着、粒子の河川への供給、浮遊砂・掃流砂としての流送によるもので、このような解析機能が有用な問題でした。
なお、豪雨時の河川による土砂輸送は、岩塊・砂利なども動かし、高い懸濁濃度となりますのでこのモデルでの表現は難しくなります。流出解析と土砂輸送の一体的解析は本分野の大きな開発課題の一つです。