地盤沈下/液状化の予測/対策
概要
地下水利用に伴う地盤沈下問題は水災害の一つと考えられます。わが国では、1970年代までの地下水利用で東京低地部で大きな沈下が記録されたように、揚水量と沈下の関係は常に注意せねばなりません。 東南アジアでは、都市域の地下水利用により地盤沈下事例か数多く報告されており、建物への被害や浸水リスク増大が問題となっています。
液状化は地震時の振動により、地下水位の高い砂地盤が緩み、水が噴き出すとともに地盤が沈下し、管などが浮き上がり、重い構造物は沈む現象です。
統合型水循環モデルは、経年的な沈下情報、帯水層の地質状況、揚水情報などを利用し、地層の鉛直圧密変形を考慮した広域解析が可能です。横方向の変形を考慮した力学的解析は今後の検討課題です。
液状化の防止には、地盤中の水位を下げておくことが必要で、統合型モデルは事前の地下水制御に関する情報を提供することができます。液状化自体の解析には一般に離散要素法や粒子法など大変形を扱える手法が必要で、まだ確立されたものはありません。